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Takayuki Tanaka
(田中 孝幸)

Flower Artist
Creative director

Profile

Takayuki Tanaka is a "blossoming" flower artist whose unique, self-made career started at a flower market. Having graduated from a university in Tokyo, Tanaka worked at a publishing company as an editor prior to entering the flower and plant world.

While working at the Ota Flower Market, the biggest flower market in Japan, Tanaka had a fateful encounter with Daniel Ost, a globally renowned flower artist and designer, who later told Tanaka that he should come to the forefront of floral design. Tanaka then went on to assist Ost with his exhibitions and events, including exhibitions at World Heritage temples such as Ninna-ji and Kinkaku-ji in Kyoto. Ost’s rich sensibility and his uncompromising attitude toward flowers keeps inspiring and influencing Tanaka, who considers Ost his lifetime mentor.

In 2005, he started his own floral art business and worked on spatial decoration for a variety of events and parties. In 2014, Tanaka co-founded UNITED FLOWERS, a floral design firm intended to globally disseminate the possibilities and the value of flowers and plants.

Tanaka’s activities, spanning spatial decoration, art projects, landscape design and advertisement & communication design, always use flowers and plants as communication tools, and he is highly recognized by both individual and corporate clients at home and abroad, including high-end fashion brands, global companies and local governments.

What lies in the core of Tanaka’s creativity is a firm faith in the power of flowers and plants to generate new “stories” among people and to give more “life-force” to peoples' connections with each other. In this belief, Tanaka faces flowers and plants wholeheartedly, with a full awareness that he is taking their lives, and tries to bring out their “ultimate beauty” in his own way.

大学卒業後、出版の世界を経て、花植物の世界へ。
花卸売市場からそのキャリアをスタートさせた気鋭のフラワーアーティスト。クリエイティブディレクター。

日本文化はもとより世界文化、生命自然科学、歴史、哲学、民俗学、人類学、文芸、音楽、建築、スポーツなど多様な分野への好奇心と造詣を背景にして、独自の解釈と意義を纏わせた他に類を見ない表現を思索し、生み出し続ける。

花卸市場勤務時代に世界的フラワーアーティスト ダニエル・オスト氏と出会う。その出会いが運命的な転機となり、氏の「君はフラワーデザインの現場に来るべきだ」の言葉をきっかけに、オスト氏の世界遺産などでのエグゼビションのアシストワークを手がけるようになる。以後、その感性と妥協なき姿勢に影響を受け、オスト氏を恩師と仰ぐ。

その後独立。
数々のイベント、空間構築、空間演出などの現場を積み重ね、空間・花・植物の価値と可能性を一層発信していく為に、2014年仲間たちとunited flowers を設立。
その後、2019年、個人スタジオのTakayuki Tanakaを設立。現在に至る。

その活動は、花や植物など自然物をツールに、空間デザイン・空間演出をはじめ、アート制作、ランドスケープ、広告、コミュニケーションデザイン、クリエイティブディレクション、企画演出、執筆など多岐に渡る。
国内外を問わず、個人からハイブランド、グローバル企業、地方自治体にいたるまで幅広く、ラグジュアリーなこだわりや文化的価値観を持つ層から強く支持されている。

空間や場と徹底的に対峙し、文脈を読み、問いを立て、そこに花・植物や自然物の命を添わせることで、洋の東西を問わない“併せの美”と“新解釈”の姿として確実に表出させること。人々の関係性に新たな“物語”と“生命力”を付加すること。その2つを活動の主柱とする。

「型は持ちながら、型にはまらず、アバンギャルドに。愁いながら、麗らかに、美しく。」

それこそが田中のクリエイションのすべてである。

花だけにとどまらないその独自のスタイルを、ある人はこう評した。「タナカ君は『併花』や、あわせの花」だと。

Biography

2015

京都・大本山建仁寺塔頭両足院で開催された「MODERN KYOTO CERAMIC 2015」(2015年11月1日-11月3日)において、陶芸家/大森準平と協働した作品を発表。共通テーマである【琳派】を主題に、両足院の池上と茶室を舞台にして、尾形光琳の「紅白梅図屏風」をモチーフにした空虚や真空の世界観を表現した。

2016

日常で誰もが使う生活家電に、咲き誇る草花を組み合わせ、無機質な人工物と生命の躍動を伝える植物とのコントラストに着想した【Debut -Beauty in Life-】(2016年3月1日-4月5日)を、蔦屋家電とのコラボレーションにより制作・展示した。

2016

京都「太秦江戸酒場《UZUMASA EDO SAKABA》(東映太秦撮影所)」(2016年8月27日-8月28日)において絵師・伊藤若冲をテーマにしたインスタレーション【Homage to Jakuchu】を発表。

映像デザイナー/EDP graphic works、水墨画家/吉田翔、書道家/岡西佑奈、音楽家/JEMAPUR、樂焼陶芸家/小川裕嗣とのコラボレーションによる展示を行った。

2018

谷崎潤一郎の「陰翳礼讃」にあるように、日本文化に深く根差してきた「光と陰」をメインテーマに、【陰陽花:One breath of flowers in the yin and yang】(2018年10月19日-10月28日)を代官山のTENOHAを舞台に制作・展示。

2018〜2019

日本を代表する女性誌である「婦人画報」(ハースト婦人画報社)にて【東京百花】を巻頭連載(2018年4月号~2019年3月号)。

東京の12の街を舞台に花をいけ、毎月異なる女性作家陣の寄稿文と合わせて独自の世界を表現した。

連載に寄稿頂いた作家陣は、【大宮エリー /山内マリコ /本谷有希子 /藤野可織 /小川糸 /川上弘美 /中島京子 /山田詠美 /恩田陸 /辻村深月 /朝吹真理子 /村田沙耶香】の12名。この企画と経験で得たものがその後の表現の大きな軸となる。

同誌2018年12月号では、丹下健三設計の「東京カテドラル聖マリア大聖堂」にて、同教会の十字型のトップライトから降り注ぐやわらかな光の中に立つ樅のクリスマスツリーを制作し、丹下都市建築設計のHPでも紹介される。

2019

ダイワハウス工業株式会社と、予防医学者/石川善樹と共に、都市ストレスを軽減する家【森が家】を企画・開発する(2019年1月)。

建築の付随物としての植栽ではなく、住宅のコアコンセプトを担う「森の構成要素」を活用した空間デザインを担う。

予防医学の観点を取り入れ、「都市ストレスの解消」を基準に、まるで森の中で暮らしているかのように感じる空間や設えを設計した。

『安定した生活を維持するために、外部環境を遮断する形で進化してきた都市生活環境が、光の明暗や音の強弱といった自然本来の「変化」を人間の生活から取り除いてしまい、生活が自然からかい離しすぎたために、結果として利便性と引き換えに心身に負荷をかけている』と分析。

人間が生き物としてのバイオリズムに則った暮らし方ができる家を訴求するため、自然界に必ずある光と影、明暗を感じられる住まい空間をデザイン・プロデュースした。

2019

独自の染色技術で国内外の人気を博すレザーブランド『YUHAKU』とコラボレーション。レザーと花に「生命の脈の美」という共通点を見出し、レザープロダクト【THE ART OF FLOWER】を発表する(2019年1月)

2020

茨城県県北振興局が主催するプロジェクト『茨城県北ガストロノミー』にて、2020年度のクリエイティブディレクターに就任。

茨城県北地域(日立市、常陸太田市、高萩市、北茨城市、常陸大宮市、大子町)に育まれる自然・文化・歴史・空間など風土の魅力全てを融合させて再編し【一皿の料理】に込めて、魅力を発信するプロジェクトの企画と、そのクリエイティブ全般と空間設計・演出を担う。

2020

『婦人画報』2020年7月号誌上にて、金沢で約350年の歴史を誇る焼物・大樋焼の十一代・大樋長左衛門を父にもつ陶芸家・建築家の奈良祐希氏と対談。

奈良氏制作の花器「Bone Flower」に特別に花をいける誌上コラボレーションを展開する。

2020

フランスの高級車ブランドDS Automobilesの依頼により、東京のミッドタウン日比谷において、仏日の美意識融合の象徴とした新作【美意識の中庭~Jardin Intérieur, Manifestation de la Beauté 〜】を制作、展示・発表。(2020年8月22日~23日)

2021

奈良市が運営する創業支援施設BONCHのリノベーションプロジェクトにおいて、クリエイティブディレクション・企画空間デザインに加え、使える常設インスタレーション【磐座〜iwakura〜】 の制作を担う。

「よい仕事」が生まれる環境とは、その地域、風土を五感で受け止め、個々の内面のリズムと共振できる場であるとの認識から、「奈良の風土を五感で受け止められるような室内外の境界を溶かすワークスペース【TEN】」を創り上げた。

天井を抜いたままという未知のデザインで、四季の気配や自然光、町の音、悠久の時を打つ寺院の鐘の音など外の気配を、室内ワークスペースとつなぎ、奈良に降り注ぐもの全てを感じながら仕事や思索に耽ることができる空間を創出し演出した(2021年6月)。

「県外就業者が多い奈良市は、これまで大阪や京都のベッドタウンという位置づけでした。“暮らすまち”に加えて“よい仕事ができるまち”へと、転換をはかります。そのためにあらゆるウチ(内)とソト(外)を相対化し、自由に行き来できる次の時代のはたらき方を、ここ奈良から提案していく」という奈良市とBONCHIの意図を空間で具現化した。

2021

ダイキン工業のプロダクトデザイナー・関浩一郎氏と【心地いい空気をどう作る】クリエイター対談(2021年10月)

2021

空間デザインを担った大和ハウス工業のTV-CM【MARE】篇が放送開始。

曖昧な境界線によって室内と外をつなぐことを特徴とする日本の美意識を宿す家をテーマとしたTV-CMのための作庭や室内空間デザインなどを担当した(2021年10月)

2021〜2022

自身が企画空間デザインした奈良市の創業支援施設のワークプレイス『TEN』にて対談イベント【Work Magic NARA】を始動(2021年10月)

2ヶ月に一度、約一年間をかけて様々なゲストを奈良に招き、回を重ねながら「はたらく(=生きる)こと」への思索を共に深めることをテーマに対話を続けた。

対談相手は、写真家の三好和義 / 映画監督の大森立嗣 / 染色家の吉岡更紗 / 霊長類学者で第26代京都大学総長の山極壽一 / 精神科医の星野概念 / 劇作家で演出家の平田オリザ / など多種多様な6人の人物に依頼した。

この対談はメディアにも取り上げられ注目を集めた。

2022年11月に平田オリザ氏との対談「対話から生まれるものたち」で最終回を迎えた。

2022

ファッションとデザインという日々の生活の営みには欠かせない2つの分野にフォーカスを置き、すべての生活者に開けた祭典:『TOKYO CREATIVE SALON』と『SHIBUYA-FASHON WEEK』の依頼を受けインスタレーション【蓑虫庵】を制作する。

渋谷区立北谷公園に建築家の谷尻誠・吉田愛が率いるSUPPOSE DESIGN OFFICEが設計したA-BOX内に、東京都の街路樹剪定で出る廃棄枝材を独自利用して、アップサイクルでプリミティブな静謐内的空間【蓑虫庵】を創作、演出し、東京都知事・小池百合子も訪れる。(2022年3月)

2023

初個展・【古器と併花】を開催する。

縄文時代〜鎌倉時代までの古器に、東京の野辺に咲く花をいける。折り重なった時代と時間の古層に、足元にある「今」を重ねることで浮かび上がる空気や情感を眺めて頂く空間を創出する。(5月〜6月)

2023

BMWとのコミッションワークとして、東京・表参道交差点に大型インスタレーション・【 Homage to 北斎 HOKUSAI 】を制作展示する。

ドイツバイエルンのBMWアイデンティティ・Blue・美意識と、日本の文化・美を繋ぐものとして、世界的にも有名な浮世絵・葛飾北斎の「富嶽三十六景・神奈川沖浪裏」をオマージュして独自の造形物と風景にすることを発案。BMWの最新モデル電気自動車を、浮世絵中の舟に見立てることで「躍動感」とその「自然美」を同時に演出した。4m超えの竹や霧なども使用して、風や雨などを音や香りなどの体感五感で感じてもらえる意匠が街ゆく人々に好評を得る。都心真夏の2ヶ月間に草花が育って変化していく姿も大きな話題となる。(7月〜9月)